ラテン語wiki


アクセント

_ 教科書の補足

教科書では8ページ、§3と4をご覧下さい。

例にあげられた単語の発音を書いておきます。

8ページの例:

ルトゥス、ア、レーグヌム

マーレ、テーサウルス、イングニス

プルス、コッゲレ

9ページの例:

ルブス、レブリス、レブルム インルトー、ネトロー トゥルギドゥス、ンテグラ インルドゥム、テドラ

_ アクセントについて

_ アクセントのルール

_ 1音節の単語の場合

  • たとえば、pēs(ペース:足)や ōs(オース:口)は、その音節にアクセントがあります。
  • ここでいう音節の数とは、単語に含まれている母音 (a,i,u,e,o)、複母音 (ae,au,ei,eu,oe,ui) の数のことを指します。

_ 2音節の単語の場合

  • 語の最後から数えて2つ目の音節にアクセントがつきます。
  • Cae-sar のように2音節の語の場合、ae の部分にアクセントがあります(ae は、後ろから数えて2つめの音節とみなせます)。
  • vī-ta (ウィータ:人生)も2音節の語なので、ī の箇所にアクセントがあります。

_ 3音節の単語の場合

  • たとえば、moneō(モネオー:忠告する)について考えてみましょう。
  • 可能性は、「 <モ>ネオー」か「モ<ネ>オー」です。(<>にアクセント。)
  • ラテン語では、後ろから数えて2番目の音節(mo-ne-ō だと e の音節)に含まれる母音の長短で判断します。
  • その母音が「長い」音節であれば、この部分にアクセントがつきます。
  • 「長い」と判断するケースには2種類あります(後述)。
  • それが「短い」音節であれば、語の後ろから数えて3番目の音節にアクセントがつきます。
  • moneō の e は「短い」ので(エーとのばさない)、後ろから3つめの音節(すなわち mo の o )にアクセントがつくわけです。
  • したがって、「 <モ>ネオー」となる(ただし<>にアクセント)。
  • 次に「ローマ人」を意味する Rōmānīについて考えてみましょう。
  • この言葉をカタカナで表記すると、「ローマーニー」となります。
  • ō, ā, ī の3つの母音がすべて「長い」ことがわかります。
  • Rō-mā-nī の後ろから数えて2番目の音節(すなわち -mā)は「長い」ことがわかります(つまり「マー」は「長い」)。
  • この2番目の音節が「長い」ため、ここにアクセントがつくのです。
  • すなわち「ロー<マー>ニー」となります。(ただし<>にアクセント。)
  • では、Cicerō (キケロー)はどうなるでしょうか?
  • Ci-ce-rō は3音節ですが、後ろから数えて2番目の ce に含まれる母音の e が「短い」ため、後ろから数えて2番目ではなく3番目の Ci の音節にアクセントが置かれます。
  • よって「<キ>ケロー」となります(ただし<>にアクセント)。
  • ローマの歴史家 Līvius (リーウィウス)はどうなるでしょうか?
  • Lī-vi-us は3音節ですが、後ろから数えて2番目の vi の i が「短い」ため、Lī にアクセントがつきます。
  • よって「<リー>ウィウス」となります(ただし<>にアクセント)。

_ 3音節以上の単語の場合。

  • ルールは3音節の単語と同じです。
  • たとえば詩人の Horātius(ホラーティウス)や Lucrētius(ルクレーティウス)といった単語はどうなるでしょうか。
  • Ho-rā-ti-us は4音節ですが、後ろから数えて2番目の音節 ti に含まれる母音 i は「短い」と判断されます。
  • 従って、後ろから数えて3番目の音節、すなわち rāにアクセントがつきます。
  • よって、「ホ<ラー>ティウス」と読みます(ただし<>にアクセント)。
  • Lu-crē-ti-us (ルクレーティウス)も4音節の語ですが、後ろから数えて2番目の音節 ti に含まれる母音 i が「短い」ため、「ルク<レー>ティウス」となります。
  • 詩人 Ovidius (オウィディウス)のアクセントはどうなるでしょうか?
  • O-vi-di-us の場合、後ろから数えて2番目の音節 di の i は「短い」ため、vi にアクセントがつきます。
  • よって、「オ<ウィ>ディウス」となる(ただし<>にアクセント)。
  • ローマの恋愛詩人 Propertius (プロペルティウス)のアクセントはどうなるでしょうか?
  • Pro-per-ti-us は4音節ですが、後ろから数えて2番目の音節 ti の i が「短い」ため、per にアクセントがつきます。
  • よって、「プロ<ペル>ティウス」となる。
  • ローマの喜劇作家 Terentius (テレンティウス)も同様に「テ<レ>ンティウス」と発音できます(ただし<>にアクセント)。
  • 次にローマの詩人 Vergilius (ウェルギリウス)のアクセントはどうなるでしょうか?
  • Ver-gi-li-us は4音節であるが、後ろから数えて2番目の li の i が「短い」ため gi にアクセントがつきます。
  • よって、「ウェル<ギ>リウス」となります(ただし<>にアクセント)。

_ 音節の区切り方で少し判断が必要な場合

  • dīvitiae (富、財産)はどうなるでしょうか?
  • 発音をカナ表記すると「ディーウィティアエ」となります。
  • 音節の区切り方として、-ae が二重母音(複母音)であることに注意します。つまり、dī-vi-ti-ae の4音節であるとわかります。
  • 後ろから数えて2番目の音節 ti の母音は「短い」ため、アクセントは vi につきます。
  • よって「ディー<ウィ>ティアエ」となります。
  • 次に、familia (家族)のアクセントはどうなるでしょうか?
  • fa-mi-li-a と音節を切ることができます。つまり語の最後の部分を -lia としません。
  • ia は二重母音(複母音)ではないためです。
  • よって後ろから数えて2番目の音節 li の i が「短い」ため、mi にアクセントが置かれる、「ファ<ミ>リア」と発音されます(ただし<>にアクセント)。

_ 母音を「長い」と判断するケース

_ 「本質的に長い」(long by nature)ケース

  • 長母音(=教科書辞書において、母音の上に横棒がついているケース)または二重母音(複母音)=ae,au,ei,eu,oe,ui を含む音節を「本質的に長い」とみなします。

_ 「位置によって長い」(long by position)ケース

  • 短母音の次に二個以上の子音が続く場合、その短母音は(「本質的には短い」けれども)「位置によって長い」と判断されます。
  • 「少女」を意味するラテン語 puella(プエッラ)を例にとります。
  • この単語の後ろから数えて2番目の音節はeです。
  • この e は本質的に長い母音ではありません。つまり「エー」と発音するわけではありません。
  • e の上に横棒(長母音の記号)はついていませんが、この e は 「位置によって長い」とみなされます。
  • e の次に子音l(エル)が連続しているためです。
  • puella は、後ろから数えて2番目の音節が「位置によって長い」ため、この音節にアクセントがつきます。
  • よって「プ<エッ>ラ」と発音します(ただし<>にアクセント)。
  • 次に、ローマの詩人 Catullus (カトゥッルス)の発音はどうなるでしょうか?
  • 後ろから数えて2番目の tu の母音は次に二つの子音(l が二つ)が続くため、「位置によって長い」とみなせます。
  • よって、tu にアクセントがつき、「カ<トゥッ>ルス」と発音されます(ただし<>にアクセント)。

_ アクセントの例題

以下、例題を考えてみましょう。長母音の記号はわざと省略します。

_ lacrima (涙)のアクセントの位置はどこにあるでしょうか?

  • 解く鍵は la-cri-ma の最後から数えて2つめの音節の母音 i です。
  • ここで問題なのは、この母音が「長い」か「短い」かです。
  • この i が「位置によって長い」可能性はありません。
  • では「本質的に長い」のでしょうか?その可能性は十分考えられます。
  • 実は、この答えは辞書を引かないとわからないのです。
  • 辞書を見て、「ラクリーマ」か「ラクリマ」かを調べてください。
  • もし i が「長い」場合、「ラク<リー>マ」となり、i が「短い」(すなわち「ラクリマ」)場合、「<ラ>クリマ」となるわけです(ただし<>にアクセント)。
  • 答えは「<ラ>クリマ」となります(ただし<>にアクセント)。

_ gratia (感謝)のアクセントの位置はどこにあるでしょうか?

  • 上の例と同じく、鍵はgra-ti-a と音節を分け、ti の i が「長い」か「短い」かを判断することがポイントです。
  • この i は「本質的にも位置によっても長くはない」ことから、アクセントの位置は gra- の a にあるとわかります。
  • よって、「グ<ラー>ティア」となります。

_ affectus (愛情)のアクセントとの位置はどこにあるでしょうか?

  • 語の最後から数えて2つめの音節の母音 e は、「位置によって長い」ことが明らかです。
  • e の後に c と t という二つの子音が連続しているからです。その直前の e は「位置によって-長い」とみなせます。
  • よって、「アッ<フェ>クトゥス」となります。
  • 蛇足ながら、今ふれた母音の e は「本質的に長い」のではない点、すなわち「アッフェークトゥス」となるのではない点に注意してください。

_ magister (教師)のアクセントの位置はどこにあるでしょうか?

  • ma-gis-ter と音節に分けることができます。
  • gis の i は子音二つ(s と t)が後に続いているため、「位置によって長い」ことになります。
  • したがって、この i を含む音節にアクセントが置かれます。
  • すなわち、「マ<ギ>ステル」と発音することになります。

_ imperator (将軍)のアクセントの位置はどこにあるでしょうか?

  • 語末から数えて2番目の音節 ra の母音が長いか短いかがポイントとなるわけです。
  • この答えも辞書を引かないとわからないのです。
  • 調べると「インペラートル」であることがわかります。つまり、ra に含まれる母音の a は「本質的に長い」ことになる。
  • よって、「ラー」にアクセントが置かれます。
  • すなわち「インペ<ラー>トル」と発音できます(ただし<>にアクセント)。

_ 本サイトアクセントの確認テストがあります。

http://www.kitashirakawa.jp/taro/latin20.cgi

Last-modified: 2009-07-01 (水) 20:03:40 (432d)