ラテン語wiki


第一・第二変化形容詞

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_ 第1・第2変化形容詞

_ 形容詞の学習

  • ラテン語学習においてとても大切です。例文に形容詞が含まれるだけで、文の彩りが一気にアップします。
    • 逆に形容詞が含まれない格言は簡潔で印象的です。
      • Carpe diem. / Memento mori. など。
  • 第1変化形容詞というのは、第1変化名詞活用と同じです。
  • 第2変化形容詞というのは、第2変化名詞活用と同じです。
  • では、ここでクエスチョン。第1・第2変化形容詞には、合計何パターンの変化があるでしょうか。
  • じつは3つです。というのは、第2変化名詞を学ぶとわかりますが、第2変化名詞は -us で終わる男性名詞と-um で終わる中性名詞の二種類があるため、合計すると3パターンの変化があるからです。
    • ややこしい?と思った方は、論より証拠。下の活用変化をご覧下さい。縦一列を1パターンと数えると、全部で3列ありますね。
      • 第3変化形容詞は男性・女性が同じというケースもあります。よって、2パターンの場合も多く見られます。ちなみに、ラテン語の形容詞は、ここで学ぶ第1・第2変化形容詞と、第3変化形容詞の2つの種類(?→「単元」といえばよいでしょうか?)しかありません。

_ 活用

・性男性女性中性
単数主格bonusbonabonum
呼格bonebonabonum
属格bonībonaebonī
与格bonōbonaebonō
対格bonumbonambonum
奪格bonōbonabonō
複数主・呼格bonībonaebona
属格bonōrumbonārumbonōrum
与格bonīsbonīsbonīs
対格bonōsbonāsbona
奪格bonīsbonīsbonīs
  • 活用の語尾変化に注意します。
  • 左端は、第2変化の男性名詞(amicus など)と同じ語尾をしていますね。
  • 真ん中の女性変化は、第1変化の女性名詞(stella 星)と同じです。
  • 右端の中性変化は?
    • 第2変化の中性名詞と同じ。例としては?
      • verbum (言葉)の変化と同じですね。
  • 形容詞の勉強をすれば、名詞活用の復習ができますね。

_ 形容詞の用法

  • Pax Romana
  • パークス・ローマーナと読みます。ローマの平和と訳されます。ここでクエスチョン。Pax は平和という意味ですが、性は何でしょう?
  • ラテン語をかじった方であれば、即座に女性名詞とわかるでしょう。Romanus, -a, -um ローマの、というのが第1・第2変化形容詞の見出しです。
  • 見出しの意味は、Romanus, Romana, Romanum ということです。左から順に、男性、女性、中性変化の単数主格です。形容詞の常、修飾する相手の名詞の性には3通りありますから、形容詞側としてもこのように3通りの活用を用意するのです。
  • Pax Romana という表現では、形容詞が Romana となっているわけですから、Paxは女性名詞だとわかります。
  • 同様に、ars longa (技術は長い)における ars も女性名だとわかります。
  • ラテン語は語順が自由だと言われます。名詞と対応する形容詞が少し離ればなれになっているケースもよくあります。その場合でも、上で述べた原則を知っておくと、どの名詞とどの形容詞の間に対応関係(修飾・被修飾)があるのか、識別できます。

_ 形容詞の名詞的用法

  • 形容詞はそのまま名詞として用いられるケースが少なくありません。ただし、ラテン語には冠詞がないので、この点にとまどいを感じるケースが生じます。
  • 例をいくつか挙げましょう。
    • Rōmānī ローマ人
    • bona 財産
    • bonum 善
    • Bonī amant bonum.(善人は善を愛する。)
    • bonī 立派な人々(保守派の人々)
    • asperum 困難
    • Per aspera ad astra.(困難を通じて栄光へ。)

_ 形容詞の副詞的用法

  • この用法は、初歩から中級にかけて、避けては通れないお話です :)
    • 逆に言えば、最初の内はパスしても大丈夫です。
  • 主語を修飾する形容詞を副詞的に訳す方が自然な場合があります。
  • Primus venit. 彼は最初に来た。
    • primus は「最初の」という意味の形容詞(第1・第2変化形容詞、男性・単数・主格)です。男性・単数故、日本語にする採、「彼は」としています。
    • 女性の場合だと、Prima venit. とします。
    • 問題は、なぜプリームスを形容詞なのに副詞のように訳すのか?です。
    • そのほうが自然な日本語になるから、です。
    • では、直訳は?多少不自然でも、文法に照らして正確に訳したい・・・という方はいらっしゃると思います。(実際、大学の演習では平気で直訳で通しましたし、そのように指導も受けました)。
    • Primus venit. は「彼は、最初の者として、やってきた」くらいでしょうか。
    • これが妙なので、彼は最初に来た、彼は一番に来た、と意訳するわけです。
    • では、次の例文。やや発展的です。
  • Dum fata sinunt vīvite laetī. 運命が許す間喜々として生きよ。
    • laetī (男性・複数・主格)は命令法 vīvite で想定される二人称複数の代名詞 vōs を修飾していますが、例のように副詞的に訳すのが自然です。

_ 第1・第2変化形容詞の例

  1. celsus, -a, -um そびえる
  2. saevus, -a, -um 荒々しい
  3. stultus, -a, -um 愚かな (stulti は「愚かな者たち」の意)

_ 例文の詳解

  • Bonī amant bonum.
    • 「ボニー・アマント・ボヌム」と発音します。
    • boniは形容詞bonus(第2変化の男性名詞と同じ変化をする)の複数主格です。
    • amicus(友人)も複数主格ではamiciとなります。
    • boniは形容詞の複数主格ですが、名詞として扱いますので、日本語は「善人は」となります。
    • bonumは、中性単数対格の形とみなす(verbumの変化と同様)とき、「善を」となり、男性単数対格とみなすと、「一人の善い男を」となりますが、文脈から考えて、中性単数対格と取るのがよいでしょう。
    • amantは、第一変化動詞amo,-areの現在・能動・複数・3人称です。(彼らは愛する。)
    • 「善人は善を愛する。」
  • Semper avārus eget. (常に貪欲な者は欠乏する。)
    • avārus は第2変化の男性名詞と同じ変化をする形容詞。「貪欲な」という意味を持ちますが、ここでは名詞扱いしています。
    • avārus はこの文では単数主格の形をしています。修飾する名詞が見つかりません。ここではこの形容詞名詞扱いされていると考え、「貪欲な者は」と訳す必要があります。つまり「者は」に相当する名詞(vir 等)を補い、この文の主語とみなします。
    • この主語に対応する第2変化動詞? egeō (欠乏する)の変化は3人称単数の形になっています。
    • ローマの詩人ホラーティウスの言葉です。(『書簡詩』1.2.56)
  • Piōs et probōs praemium vītae aeternae exspectābit.
    • pius(敬虔な)の複数・対格が piōs で、この文では名詞的に使われています。
    • probōs(善い)も、probus の複数・対格です。第2変化名詞? praemium(報酬)が、この文の主語です。vītae aeternae で「永遠の生の」(単数・属格)を意味し、praemium にかかります。これは「説明の属格」の用法です。「永遠の生という報酬が・・」という意味になります。
    • exspectō は「待ち受ける」という意味の第1変化動詞?で、ここでは未来・単数・3人称の形で使われています。
    • 「永遠の生という報酬が、敬虔で善良な人々を待ち受けるであろう。」と訳せます。
  • Quandōque bonus dormītat Homērus.
    • Quandōque は「ときどき」を意味する副詞です。
    • bonus(ボヌス)は「すぐれた」を意味する第1・第2変化形容詞の男性・単数・主格で、Homērus(ホメールス)を修飾しています。
    • dormītat は「眠る」を意味する第1変化動詞? dormītō の現在3人称単数の形です。
    • 「ときどき立派なホメールス(ホメーロス)も居眠りをする」という意味になります。
    • ホラーティウスの言葉です。
  • Quī parcit malīs, nocet bonīs.
    • quī は関係代名詞、男性・単数・主格。先行詞は省略されています。
    • parcit は第3変化動詞? parcō(=許す)の3人称単数・現在の形です。
    • malīs は、形容詞 malus(=悪い)の男性・複数・与格です。名詞として使われ、「悪い人々」と訳せます。
    • 与格になる理由は、動詞 parcit(許す)が与格を支配する(目的語としてとる)ためです。
    • nocet(←noceō:害を与える)は parcit と同じく与格を支配し、bonīs(bonus の複数与格)を目的語とします。
    • 「悪人を許す者は、善人に害を与える」という意味になります。
  • Vīnum novum in utrēs novōs mittendum est.
    • vīnum は第2変化名詞?、中性・単数・主格で「ぶどう酒」という意味です。それを novum(新しい)が修飾しています。辞書の見出しでは novus を見ます。
    • utrēs は第3変化名詞?(男性)uter,-tris(ウテル)の複数・対格です。
    • novōs(男性・複数・対格)がそれを修飾しています。
    • mittendum は第3変化動詞? mittō(送る)の動形容詞?で、vīnum と性・数・が一致しています。「送られるべき」と訳せます。
    • 「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れなければならない。」という意味です。
  • Virtūs sōla neque datur dōnō neque accipitur.
    • 「美徳は (virtūs) ただひとつ(sōla)贈り物として(dōnō)与えられもしなければ(neque datur)受け取られもしない(neque accipitur.)」という意味になります。
    • dōnō は「目的の与格」の用法です。
    • 第1・第2変化形容詞? sōlus が、女性・単数・主格の形に活用し、virtūs を修飾しています。
Last-modified: 2009-06-30 (火) 23:04:49 (437d)